3つのグレードの違い

ヒアルロン酸ナノゲルは、HA分子量やコレステロール修飾率の違いによって物性が異なります。この表は各グレードのPBS中(生体内環境下)での溶解率を示したもので、縦軸がPBS中での溶解率、横軸がヒアルロン酸の総ユニット数※に対するコレステロール修飾率を示しています。

乳化グレードのようなコレステロール修飾率が数%以下の領域では、ヒアルロン酸の性質が強いため、生体内環境下で安定な分散状態を維持します。一方、沈殿グレードのようなコレステロール修飾率が10%前後の領域では、塩濃度の変化で、安定なナノ分散状態からゲル状の沈殿状態へ可逆的に変化します。さらに、分散グレードのようなコレステロール修飾率が20%を越える領域では、コレステロールの疎水性相互作用が強まり強固なナノ粒子を形成するため、再び生体内環境下で安定な分散状態を維持します。

※ヒアルロン酸はグルクロン酸とN-アセチルグルコサミンの繰り返し単位で構成された天然高分子であり、グルクロン酸1個とN-アセチルグルコサミン1個で構成されたものをヒアルロン酸1ユニットとしてカウントしています。

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